犬山城下町で長年観光客を迎えてきた歴史ある建築物が、2025年古民家ホテル【宿SHUKU】として生まれ変わりました。
趣向を変えた二棟を構える分散型宿泊施設で、併設のレストランは格式高い日本料理店【古今】
犬山城下町直結の、他では味わえない宿泊施設【宿SHUKU】と日本料理店【古今】をレビューします。
※掲載内容は訪問当時のものです。
【宿SHUKU】と【古今】どんな所?
お宿とお店の様子を紹介します。
宿 SHUKU〈練屋棟〉〈下本町棟〉
【宿 SHUKU】は国の有形文化財に登録されている二棟「真野家住宅(下本町棟)」と「小島家住宅(練屋棟)」を改装してオープンされた、「登録有形文化財に泊まれる宿」。
他ではあまり経験のできない宿泊施設として、オープン当初からメディアでも注目されたホテルです。
犬山の、伝えたい「伝統」と浸って欲しい「時間」と感じて欲しい「空間」が形になった【宿SHUKU】。
小島家住宅である小島醸造で、古くから作られていた伝統の「忍冬酒」をアレンジしたウェルカムドリンク(ノンアルコール)や、お風呂で堪能する忍冬酒の原料スイカズラを使用した「忍冬湯の素」のサービスも受けられます。
引用;宿SHUKU HPより
練屋棟「小島家住宅」
城下町本町通りから住宅地の中へ入り、忍冬酒の看板を掲げる小島邸、こちらが【宿 SHUKU】のメイン棟です。
朝鮮から持ち帰ったという酒造技術で生まれた「忍冬酒」は、健康志向の強かった徳川家康が愛飲していたことでも知られ、小島家は日本で数少ない400年以上続く忍冬酒の醸造元となっています。
練屋棟は【忍冬酒】の販売所でもあるので、いつでも試飲や購入が出来るそうです。
※スタッフさんが空いていない時は対応が難しいとの事。
【宿SHUKU】拠点の練屋棟は、フロントやラウンジ、客室4部屋とレストランへ改装されました。
チェックインはこちらの練屋棟で受付し、犬山祭の提灯を模したインテリアが目を引くラウンジで、一休みできます。
引用;宿SHUKU HPより
主屋はフロントの2階フロアが客室となっており、左官壁やごつごつとした梁をそのまま残した特徴あるお部屋102室。
主屋には他にメゾネットタイプのお部屋2室があります。
もう1室は併設のレストラン【古今】の日本庭園を通る贅沢な立地で、重厚な蔵そのものを改装したメゾネットタイプの1棟貸し104室です。
下本町棟「真野家住宅」
城下町の本町通り角に位置する大きな古民家で、元々は金融業を営んでいたという真野邸。
町屋造りで奥へ長い建物になっており、大きな敷地に4タイプのお部屋が用意されています。
窓から城下町を望め、なんといっても【犬山祭】の山車がお部屋から眺められる2階フロアを広く利用した201室や、中庭をぐるりと縁側で囲み、贅沢なお部屋空間を満喫できる202室、下本町棟の蔵を改装した203室は重厚な扉と塗り壁の遮音効果で、ゆっくり静かな時間を過ごせるとか。
もうひとつの蔵204室は客室の中で唯一のキッチンスペースやバーカウンターを備え、宿泊時間をより楽しめるスイートルームです。
2025年9月には、テナント「パンとエスプレッソと犬山城」がオープン予定。
日本料理【古今】
「宿SHUKU」に宿泊のお客様の食事処で、練屋棟に併設のレストラン【古今】。
フロントのある【練屋棟】と軒を連ねる並びに在り、お食事付きプランで宿泊の方は【古今】で提供となっていて、一般の方もランチやディナーで利用可能。
息を飲むほど美しい日本庭園を眺めながらのお食事は、ちょっとした非日常を味わえる贅沢な時間です。
お食事の後も、お庭へ出て季節を感じるのもまた格別。
室内は大中小サイズの座敷に分かれていて、すべてテーブル座敷になっています。
各お部屋それぞれの装飾にも由来があり、お時間のある時なら住宅や庭園の解説案内もしてもらえるので、お食事だけでなく堪能してもらいたい場所です。
【古今】お店やお食事
【古今】では一般のお客様はランチとディナーでの利用が可能ですが、イベント開催時にお食事以外でお邪魔する事が出来ましたので写真をお借りしながら紹介します。
※掲載許可頂いております
お店の様子
【古今】は【宿SHUKU】に併設ではありますが、レストランとして単独の建物です。
こちらの暖簾をくぐり趣あるアプローチを進みます。
食事のお部屋は個室から大部屋まであり、全36席。
障子を閉めて落ち着きのある空間にもなる一番大きな広間は、障子を開けると2面の大きなガラス越しに庭園を眺める事が出来ます。
素敵な犬山焼も飾られていました。
入口を挟んで広間の反対側は、4人掛け2卓の個室があり、お庭には面していませんが「兎」がテーマになっているなど、各お部屋で違った趣があります。
この他、茶室として使われる座敷も有り、会食やおもてなしにも間違いない格調のある【古今】。
ふすまの模様や、それぞれのお部屋で異なる欄間など装飾も美しく見応えがありますので、来店の際は是非ご覧になってくださいね。
お食事内容
ランチは1種類、ディナーは3段階のコースがあります。
ランチ
ランチでいただけるのは、旬を感じる美しい松花堂弁当。取材時価格4,950円(税込み)
引用;宿SHUKU ホームページより
出汁に始まり、出汁に終わるというコンセプトにこだわった、一品ずつ丁寧に仕上げられたお弁当です。
プラス1,100円で、ドリンク&デザートセットを追加可能です。
お弁当同様、季節や仕入れにより内容は変更ありますが、訪問時のデザートセットはこちら。
ゼリーに冷やし固めた粒あんとバニラアイスの最中は、窓越しに見える日差しの強さも柔らいで感じる夏仕様のスイーツ。
季節のフルーツであんみつ風仕立てのスイーツもとっても爽やかでした。
ディナー
夜の会席は3段階のコース料理。
前菜、煮物、お造りなど、デザートまでをゆっくりと贅沢に堪能するコースです。
季節や仕入れによって内容は変更あります。
引用;宿SHUKU ホームページより
【古今】はフレンチやイタリアン、中華など多彩な調理法を取り入れ、日本料理の枠にとらわれすぎず、幅広い技術で料理されているとのこと。
お料理の提供食器の中には、住宅や蔵に眠っていた犬山焼含め数々の焼物達も使われているそうです。
改装時には食器だけでなく、歴史や伝統に思いを馳せる品が見つかったかもしれませんね。
日本庭園
先にもご紹介しましたが、【古今】のお庭は素晴らしい日本庭園なんです。
門をくぐると、美しく並んだ飛び石に思わず誘われお庭の方へ。
改装前は、この美しい姿は微塵もなく、地面は全く見えない状態からのスタートだったそうです。
この完成されたお庭は、改装に伴い造園されたのではなく、大量の落ち葉の下でまた日の光を待っていた財産とのこと。
樹々の伐採や選定などを経て蘇った枯山水は、山から滝、川から海へと水が広がっていく景色が表現されています。
お食事のお部屋の縁側からも眺められますので、味覚だけでなく視覚でも【古今】を堪能してみて下さい。
【宿SHUKU】宿泊棟
練屋棟の宿泊棟と、下本町棟の客室の一部をご紹介します。
練屋棟
フロントのある練屋棟には、フロアタイプの客室と、メゾネットタイプの客室があります。
室内は拝見しておりませんが、古民家そのものの1棟貸しや
【古今】の庭園を通る贅沢なアプローチの蔵の1棟貸しも。
貴重なホテル体験になりそうですね。
1棟貸しのお部屋から【古今】への移動は一度外へ出る必要がありますが、宿泊で【古今】でのお食事をされる方は、練屋棟での予約が圧倒的に楽かもしれません。
下本町棟
城下町本町通りに直結する建物で、今回は内見をさせていただいたお部屋をご紹介します。
暖簾をくぐると奥へ廊下が続き、フロアタイプの客室は【宿SHUKU】のロゴをアレンジされた暖簾のこちらの201と202室。
下本町棟はテナントエリアも含むので、まだこの時はオープン予定のテナントの開業工事中でした。
今回は奥の202室にお邪魔しましたので、ご紹介します。
手前に一部屋ゆとりスペースがあり、大きな襖を開くと、目に飛び込んでくるのは整然と整えられた和の空間。
中庭を背景に、時が停まったような静かな佇まいが、旅人の時間をリセットしてくれるお出迎えです。
ふと振り返ると、黄金の襖絵が襖全面に描かれています!
襖絵の状態はとても綺麗で、食い入るように眺めてしまいました。
これは是非実物をご覧になってもらいたい!
各お部屋それぞれの見所があるので、宿泊予約はお部屋選びに迷う事必至ですね。
さて、縁側に出ると中庭を囲む形になっていて、気候の良い日にはここでまったりと過ごすなんて贅沢を妄想してしまう癒しの景色。
お部屋に面した縁側にはガラス戸がありますので、夏冬など室内で過ごされたい季節も縁側でのひと時を過ごしやすくなっています。
ひとつひとつの小物や風景を写真に収めたくなるような風情がありますね。
202室の寝室は縁側を渡った先に。
ガラス戸の解放感ある寝室で、低めのベッドやテーブルセットが和に調和しています。
【宿SHUKU】は日本の古民家の要素を多く残していますが、家具はモダンやアンティーク風のダークトーンで統一されていて、シックにまとまったインテリアが素敵ですね。
どのお部屋も、洗面や御手洗い、浴室も綺麗にリフォームされていて、檜風呂からは中庭も見えました。
洗面は鏡が広く、二人並んでもゆとりがあるので朝支度にもとっても使いやすそう。
練屋棟や【古今】とは徒歩5分程度ですが、移動は少し難点かもしれません。
宿泊部屋の希望に限定が無ければ、城下町直結の下本町棟なら本町通りで食べ歩きや、宿に持ちかえっての食事もとっても便利ですね。
【宿SHUKU】【古今】所在地や営業情報
【宿SHUKU】と【古今】それぞれの場所と営業情報を掲載します。
宿SHUKU
フロントのある練屋棟のMAPです。
住所 | 愛知県犬山市犬山東古券633 |
電話9:00~18:00 | 0568ー65ー9553 |
チェックイン | 15時~18時 |
チェックアウト | 10:00 |
駐車場 | 練屋棟正面に10台 |
SNS | Instagram HP |
ホテル駐車場は建物正面にあります。
駐車場が満車の時は近隣の特約サービス登録パーキングがあります。
※写真は下本町棟の裏有料駐車場です
【古今】
MAPはホテル所在地と同じです。
住所 | 愛知県犬山市犬山東古券633 |
電話 | 0568ー65ー9554 |
営業時間 (ランチは2部制) | 11:30~L.O 12:15 13:30~L.O 13:45 18:00~21:00(L.O19:00) |
定休日 | 火水 |
駐車場 | 練屋棟正面に10台 |
SNS |
まとめ
犬山に新しい形態の古民家ホテルが登場し、観光でお越しの方が犬山で過ごす時間がますます充実する事でしょう。
テナントブースには人気パン屋さんが入り、下本町棟の茶室が共用の客席として利用が可能になるそうです。
こちらも楽しみですね!
日頃なかなかお邪魔する事の出来ないお宿や日本料理店に、非日常を過ごしに行ってみて下さいね。